2025年 11月のアーカイブ

Tags: ファスナーポーチの作り方(簡単!図面自動出力)

みなさんこんにちは。前回の 魅惑の生霊 のお話に続いて、今回はファスナーポーチの作り方をご紹介します!

なんだ、このヘビメタバンドが天気予報をしているような凄まじいギャップは!!
生憎これが、ここれんねワールドなのだ。裁縫もここでは霊的現象になるので、あきらめていただきたい。

ファスナーポーチは、裁縫初心者にとっては比較的簡単で、作る機会も多いものだと思う。
私も何度も作っている。そして未だに何度も失敗している。
それは作り出すとついつい早く完成させたくて、確認作業を省略してしまうからだ。自分でも分かっている。

あれ、こっち向きで合ってたっけ?と一瞬気付くのに、まぁ‥とりあえず縫ってから確認しよう!となって、縫い終わってから確認して、やはり間違っていた‥となってしまう。これの繰り返し。

特に生地の裏表やファスナーの向きはよく間違える。どう考えてもそこは縫う前にしっかり確認すべきだろ!と、分かっている。分かっているのだが!
…ミシンの前に座ってしまうと、もううずうずしてとりあえず縫い始めたいという衝動に負けてしまう。
ミシンのペダルに偽装された核ミサイル発射ボタンがあったら、「核ミサイル発射ボタンです」と書かれていても、踏んでしまいそうで自分が怖い。

確認したとしても、勘違いや思い込みで合っていると思い込んでいて、縫ってからやはり間違えていたと気付くことも多く、これがなかなか治らない。
おかげで最近ミシンで縫った糸を解く方が無駄に得意になってきている。
ザッザッザッツー、ザッザッザッツー、とリズミカルに解ける。
もう裁縫ではなく裁縫分解が趣味ですと言わなければならないような恐ろしい予感さえする。
これはきっと何者かの生霊に邪魔されているに違いない!‥と思い込みたいぐらい失敗している。
いいのだろうか?こんな私のままでいいのだろうか!?

そんな自分を戒めるためにも、今回は最後にミシン糸の解き方もオマケで記事にしておこうと思う。
縫う前の確認作業の大切さを、自分自身に言い聞かせるためにもだ。
とりあえず今回の完成品だ!

  • ファスナーポーチ完成品
    ファスナーポーチ完成品

今回作例となるのはちょっと小さめの印鑑ポーチ。
今年は不動産事業の工事が始まったのと、施設の祖母が亡くなってやっかいな相続手続きが重なってしまった関係で、とにかくやたら役所絡みの手続きが多く毎週のように署名や押印を繰り返す日々だった。
そのため印鑑入れのポーチが妙に無駄にデカすぎる事に気付いて気になり始めた。ギリギリまで小さく必要な印鑑がピッタリ入るポーチが欲しくなった。
そうだ、もっとコンパクトな印鑑入れを作ろう!と思って作り始めたのがこれ。

左のオレンジのファスナー部は規格品を使っており、右はマルチファスナーを使っている。ポケット部分は共にマルチファスナーだ。
規格品は止め金具が付いており綺麗に仕上がる。しかしその止め金具の位置で長さが決まってしまうので、ファスナーに合わせポーチのサイズを決める必要がある。
逆にマルチファスナーは自由な長さで切って両開きにもできる。なので私はマルチファスナーを使うことの方が多い。

しかし印鑑を入れるためにハガキぐらいの小さいサイズで作ってみたところ、マルチファスナーのナデ肩が妙に目立って気になった。
A5ぐらいのサイズではあまり気にならなかったのだが、小さいサイズになるとマルチファスナーだとナデ肩がやたら目立つのだ。

なので今回は規格品のファスナーでも作ってみる事にした。左のオレンジファスナーのポーチがそれだ。
やはり規格品の方がきれいに仕上がる。希望のサイズが存在するのであれば、やはり規格品のファスナーを使うことをお勧めする。
そんな訳で早速作り方に入ろう。

1.裁縫スクリプトで設計

天部にファスナーが付いている裏地付のポーチが基本となっており、オプションとして持ち手とポケットも付けられるように解説していく。
持ち手やポケットがいらない場合は、それぞれの項目を飛ばして読まれるとイイ。

  • ファスナーポーチ完成品
    ファスナーポーチ完成品

そして設計だ。例のごとく以下の裁縫スクリプトで、好きなサイズに調整してみて欲しい。すると外観図や展開図が自動的に変化してくれる。

各調整項目については以下の通り。

  • 作成例:サンプルとしていくつかの作成例が選べる。自分が作りたいサイズに近いものを選んでから各値調整していくと楽。
  • 外観図:立体的な外観図の向きを変えられる。
  • 制作サイズ:完成時の全幅、全高を自由に設定できる。単位はミリ。
  • 持ち手:「有り」を選択すると持ち手が追加され、長さも調整できるようになる。
  • ポケット:「有り」を選択すると正面にポケットを追加できる。ポケットの「深さ」も調整できる。
  • カラー:「本体」と「ファスナー」の色が設定できる。イメージ的に色を確かめたい時に設定されるとイイ。
  • 縮小・拡大:表示サイズを変えられる。スマホなどで見る場合は縮小するとイイ。
  • 図面更新:もし入力値が反映されないような場合はこのボタン。
  • 設定リセット:全設定を初期値に戻す。
  • 製作図面印刷:別窓が出てきて図面部分が印刷出来る。
  • 設計コード:コードを「コピー」してメモ帳アプリなどで保存。後日そのコードを「貼付」て「読込」めば再び調整の続きが出来る。

基本的に単位はミリになっている。展開図の青い破線は仕上りの線になる。チャコペンで描いておくと縫う時の目安にもなる。
使用するファスナーについては、規格品とマルチファスナー(自由に切断できる巻きタイプ)両方の参考となる長さが、展開図の上部に表示されるようになっている。
規格ファスナーを使う場合は、この数値を見ながらポーチのサイズを調整されるとイイ。

2.準備

好みのサイズで設計が出来たら、材料をそろえる。表地と裏地の生地を決めてファスナーも用意する。
一応、記事内で作ったファスナーポーチの材料を一覧にしておく。
表地はシルク生地を使った。前回同様余りの生地を使っているだけで材料としてお勧めしているわけではない。普通にお好みの柄や生地を使って欲しい。

  • 表生地:サテン生地。前回使った生地がまだ余っているので利用。生地としてはしっかりしている。
    ≫サテン生地
  • 裏生地:ナイロン生地。透けない程度に厚みがあり頑丈。低温のアイロンなら当てれる。ただ色の種類が少ないので裏地によく使う。
    ≫ナイロン生地
  • ファスナー:規格品ファスナーx1本。ポケット部にマルチファスナー3号(巻き)x1本。
    ≫規格品ファスナー:14cm
    ≫マルチファスナー:3号

スクリプトの展開図を見ながら表地と裏地を裁断していく。オプションの持ち手は表地のみ。ポケットは裏地付になっている。裏地はあった方が既製品っぽく豪華に見えるというだけなので、必要のない人は裏地の説明部分は読み飛ばせばいい。
またスクリプト上、複雑になるので省略しているが、ポケットはポーチの内側(裏地側)に付けることも可能だ。一度作って構造が理解出来れば、裏地無しのポケットもポーチ内側のポケットも自由に改変して作れるだろう。
以下は作例の場合の材料を裁断した後の状態だ。

  • ファスナーポーチ材料一覧
    ファスナーポーチ材料一覧

ちなみにスクリプトの図面では、ポケットの裏地は③の前側より④の後側の方が、高さが10ミリ長くなっている。これはポケットのファスナーが正面に見える分だけ長くなるためだ。縫う時に③と④を間違えやすいので注意して欲しい。

写真にはあって、スクリプトでは省略されているのだが、私はタグも付けるようにしている。これが付いているだけでいかにも既製品ぽく見えるからだ。裏地の生地を両面接着芯で張り合わせて、40×20ミリに切断している。
文字は布用のインクを使うスタンプで作った。インクジェットプリンターがある人は印刷できる生地とかあるので、そっちの方が早いと思う。

作例は小さなものなので、今回は接着芯も使っていないが、生地の材質や大きさによっては接着芯を使いたくなる場合もあると思う。そこはご自身で判断してほしい。

3.本体の組立て

ここからは制作手順になる。①本体表地を表向けに置き、その上にファスナーを裏向けで置く。ここでファスナーは①本体表地の上端から5ミリほど控える形で待ち針などで固定する。
また、ファスナーの両端を写真のように三角に折り返しておく。この状態でファスナーの上端から3ミリ下の位置を縫ってく。つまり①本体表地の上端から8ミリの位置で縫っていくことになる。

ファスナーの端の折り返した部分はミシンにセットする時に、広がってしまわないようにうまくミシンの押さえに置換えて、抑え込みながら縫って欲しい。
両面テープなどでくっ付けておけるなら、その方が確実かも知れない。

最終的には裏地と一緒にまた縫い直すので、この縫い目は隠れる。なので荒い目でもイイ。手縫いで荒く仮縫いとして縫って、後で解いてもイイ。
上端から8ミリとしたのは、この仮の縫い目が完全に隠れるようにするためだけなので、慣れている人は普通に①本体表地の上端から10ミリ(ファスナー上端からは5ミリ)のところで縫ってもイイ。
私は未だに縫い目が歪んだりして自信が無いので、こうして完全に隠れるように10ミリの縫い代から2ミリほど控える形で仮縫いしている。

  • 本体表地にファスナーを縫い付ける
    本体表地にファスナーを縫い付ける

縫い終わったら、その上に①本体裏地を重ねる。裏地に表裏がある場合は、裏地の表側(完成時にポーチの内側として見える面)が表地の表側と向き合うように置く。
そして①本体裏地の上端から10ミリ(縫い代)の位置を縫っていく。
待ち針などで止めた後、表地の方を上にしてミシンにセットすると、先程の縫い目がガイドとなるので縫いやすい。つまり先程の縫い目から2ミリ内側に控えたところ縫うことになる。

  • さらに本体裏地を縫い付ける
    さらに本体裏地を縫い付ける

ここで一度①の表地と裏地を縫い目を軸にして裏返す。そして折り目から1ミリほど控えたところをまた縫う。これを「端ミシン」と呼ぶらしい。
アイロンのある人は縫う前に一度アイロンをかけておくと、生地が浮いてこないので縫いやすいはず。
わたしは発熱に時間がかかる古いアイロンしか持っていなくて面倒なので、もうアイロンかけずに手で押さえ込みながら縫った。
そして以下の写真のような状態になる。

  • 端ミシンをかける
    端ミシンをかける

ここまでの手順と同じ要領で、ファスナーの反対側にも①本体表地と①本体裏地を縫い付けていく。

一応最終的な構造が分かる図解も付けておこう。

  • 構造
    構造

こうして①本体生地とファスナーを縫い付け終わると以下の写真のような状態になる。

  • 本体とファスナーの組立て完了
    本体とファスナーの組立て完了

ここまでくるとファスナー部分で山折りすれば、完成時の状態もイメージしやすくなる。
すると早く完成させたい!という衝動がさらに強くなって、私のように失敗する確率も跳ね上がる。
ここは一度深呼吸してワクワク感をグッとこらえ、お寺の美しい庭を眺めるような気持ちになって慎重に進めて欲しい。

4.持ち手

ここで持ち手を組み立てる。持ち手を付けない場合は、この項目を飛ばして次の「ポケット」に進んで大丈夫だ。

②持ち手(表地)を裏面へ折り込み、さらに折り込んで布の縁が完全に内側に隠れる状態にして上下の端を1ミリほど控えて縫う。
写真ではコの字に縫っているが、一旦ミシンを止めるのが面倒で一緒に縫っただけで、上下さえ縫えていれば問題ない。
左右の端は本体に取り付ける時に縫うことになるからだ。

  • 持ち手
    持ち手

5.ポケット

続いてポケット部分の組立てだ。ポケットを付けない場合は、この項目を飛ばして次の「全体の組立て」に進んで大丈夫だ。

ポケットも本体と同じ要領でファスナーを付けていくが、ここではファスナーの向きとポケットの前後で作りが変わってくるので注意が必要だ。
完成時のスライダーの向きを考えてみて欲しい。ポケットが手前に付いているとして、スライダーが向かって左から右へ開く形で良ければ、この記事の解説通り進んで問題ない。
多くの人は右利きなので、左から右へ引っ張った時にファスナーが開く方が開けやすいと思う。
しかし首や肩に掛ける鞄なんかは、かけた状態でファスナーを開くことが多いためか、前面のポケットに対して向かって右から左に開けるタイプの鞄が多いように思う。

このファスナーの向き問題。モノによっては完成してから「逆の方が良かったなー」と気付くこともよくある。本記事では全てポケット側から見て左から右にファスナーが開く形で組み立てるので、ポケットを組み立てる前に本当にその向きでよいか考えてみて欲しいのだ。

ついでに言えば、マルチファスナーもレールによっては>>>>>って感じで見た目上の向きがあったりもするので注意して欲しい。
自分なりにファスナーを使う時の向きは決めておいた方が間違いも起こりにくい。

では、組立てに進もう。まずは③ポケット表地(表面)の上にファスナーを裏向けにして、上から5ミリほどズラして置く。
この時ファスナーは裏向けではあるが、完成時と同様にスライダーは左が閉じる方向であることを確認しておく。(完成時に右に閉じる方向にしたい場合は右が閉じる方向になるように配置する)
そしてファスナー上端から3ミリのところを一旦縫っておく。

続けて、その上に③ポケット裏地を③ポケット表地の位置に合わせて重ねる。
裏地に表裏がある場合は、③ポケット裏地の表面(完成時にポケットの内側として見える面)が③ポケット表地の表面と向き合うように配置する。

ちなみに写真ではここで既に私は間違えており、裏地の裏面にチャコペンで線引きしていたのに、その裏面を表側にして配置し縫ってしまった。
幸い今回の裏地に表裏はなく、チャコペンで引いた線がポケット内側として見えてしまうだけの問題だったので、完成してからチャコペンの線を消している。

  • ポケット前面の組立て
    ポケット前面の組立て

そして③ポケット表地と③ポケット裏地をそれぞれ縫い目で折り返して、その折り目から1ミリほど控えたところで端ミシンをかける。(表地とファスナーと裏地をまとめて縫う)
すると以下の写真のような状態になる。

  • ポケット前面完成
    ポケット前面完成

なお、本記事ではポケットのファスナーにマルチファスナーを使っているが、規格品ファスナーであっても要領は同じだ。
端部分も本体の時のように三角に折らなくても大丈夫だ。(折ったとしても大丈夫)

続けてポケットファスナーの反対側も同じ要領で‥と言いたいところだが、反対側は本体に接続するので作り方が変わってくる。

④ポケット裏地(表面)の上端から5ミリほどズラしたところに、先程のポケットファスナーの表面の上端が来るように配置する。
すると④ポケット裏地の下端が、ポケットファスナーの束の③ポケット表地と③ポケット裏地の下端の位置と、だいたい揃ってくるはずだ。
この状態でまたファスナーの上端から3ミリのところで縫っていく。(仮縫いとして大雑把な手縫いでもOK)

  • ポケット後面の組立て
    ポケット後面の組立て

そしていよいよポケットを本体に取り付ける。
まず本体生地とファスナーの束を、ファスナーを真ん中にして2つの①本体表地(表面)が見えるような形に広げる。
(「3.本体とファスナーの組立て」の項の最後の写真のような状態)

この時ファスナーの向きから、どちらの①本体表地が前面(ポケットを付ける面)になるかを確認しておく。
そして前面側は①本体表地のみが来るようにして、それ以外の生地は全て反対側(後面側)にまとめておく。

続けて本体の前面(ポケットを付ける側の①本体表地)のポケット深さプラス10ミリの位置に、ポケットファスナーの束の④ポケット裏地のファスナー側の端が来るように合わせて配置する。

なんだか文章にするとやたら長くなって、私自身書いていて訳が分からなくなるが、ようは下の写真のような形で配置するわけだ。
この時、本体のファスナーとポケットのファスナーの閉じる方向が揃っていることを確認して欲しい。
写真ではファスナーは見えないが、スライダーは共に下方向が閉じる方向になっている。
この状態で④ポケット後裏地の端から10ミリ(縫い代)のところを縫っていく。先程の仮縫いの2ミリ隣の位置を縫うことになる。

  • ポケットを本体へ取り付け
    ポケットを本体へ取り付け

縫い終えたら、④ポケット後裏地のみを捲って、①本体表地に合わせてクリップなどで固定。
そしてここでも折り目から裏地が浮いてこないように、折り目から1ミリほど下がったところでまた端ミシンをかけておく。(④ポケット後裏地+ファスナー+①本体表地を縫う)
これでポケットの取り付けは完了だ。

6.全体の組立て

本体ファスナー部で山折りにして、一旦完成時の状態を確認しておこう。
特にポケットを付けている場合は、本体側のファスナーとポケット部のファスナーの閉じる方向が揃っていることを確認して欲しい。

  • 全体の組立て
    全体の組立て

②持ち手やタグを付ける場合は、このタイミングで本体に付けておく。
今回の作例の場合、持ち手はちょうどポケットのファスナーの位置辺り、タグは底端から30ミリほど上の辺りにつけた。

持ち手やタグも、後から全体を縫う時に一緒にまとめて縫われるので、ここでは仮の固定と考えてイイ。
生地の端から5ミリ前後控えたところで縫う。10ミリを超えてしまうと完成時に縫い目が見えてしまうので注意する。
なお、どちらも写真のように内側向けの方向に取り付ける。最終的には返し口からひっくり返されて、外に飛び出る形になる。
この時、①本体裏地は一緒に縫わないように、(ファスナーを軸に)反対側に捲っておく。

  • 持ち手やタグの取り付け
    持ち手やタグの取り付け

いよいよ最後のイベントだ。本体の周囲を縫っていくのだ。
まず①本体裏地の2枚のみと、それ以外の生地を本体ファスナーを軸にして束を分けておく。
そして返し口の位置を決める。

返し口は全体をひっくり返すための開口部分だ。4~7cm程度空いていれば、ひっくり返せる。
大きいほどひっくり返しやすく楽だが、最後に穴を塞ぐ時の距離が長くなる。
逆に小さい程、ひっくり返すのが難しくなるが、穴を塞ぐ距離は短くなって楽だ。
ここではとりあえず5cmほど開ける事にした。
返し口を決めたら、本体ファスナーを半分ほど開けておく。返し口からひっくり返す時に、引っ張り出しやすいようにするためだ。
そして返し口部分以外の周囲を端から10ミリ(縫い代)の位置で縫っていく。

  • 返し口を残して全周を縫う
    返し口を残して全周を縫う

この時、ファスナー部は山折りに畳んで縫っていくのだが、この折った時に重なる表地の位置は互いにズレないようにして待ち針などで固定して欲しい。
…。分かっている。自分で書いていても一体何のことを言っているのかよく分からなくなる。
裁縫を文章で説明するのは本当に難しい。下の写真を見て欲しい。これは失敗してしまった時の写真だ。

  • 失敗例
    失敗例

周囲を縫う前に本体ファスナー部分をちょっと捲って確認してもらえれば分かると思う。
写真は本体ファスナー部の表地がズレたまま周囲を縫ったため、完成するとファスナーの端で表地がズレてしまっている。
気にならない人はイイと思うが、私も最初は気にならないと思っていたのだが、使っているうちにだんだん気になってきて、結局お得意の裁縫分解に突入したのだ。

縫い終えたら周囲を切って揃えておく。角は斜めに切っておくとイイ。この時、縫い目まで切ってしまうと解けてくるので気を付ける。
ほつれ止めを持っている人はここで縁に塗っておくと完璧だ。

  • 切り口を整える
    切り口を整える

そしていよいよ返し口から全体をひっくり返す。このひっくり返す瞬間がたまらなく気持ちいい。そしてひっくり返した後に気付く失敗は、また最高にショックだ。
そう私は一度完成させたものの、上記の通りファスナーの端のズレが気になってきてまたひっくり返して、ミシン糸を解いて縫い直したのだ。

そんな裁縫分解については最後に書くとして、ここでは無事に完成したものとして話を進めよう。
ひっくり返す時、もし本体ファスナーを開けておくのを忘れていた場合は、手探りでファスナーをこじ開ける。私も毎回これを忘れて、手探りで開ける方が慣れてきた。

  • 返し口から裏返す
    返し口から裏返す

完成状態を確認して、もしおかしなところが見つかったら、再び返し口からひっくり返して修正するしかない。

問題が無ければ、目打ちなどでポーチの角を整えてから、返し口を塞いでしまおう。返し口の縫い方は何でもいい。
私は自分の縫い方が何ていう縫い方なのか分からなくて説明が難しいが、生地の2つの山を貫通させて、2つの山の上を跨いでまた最初の山側に戻り、再び2つの山を貫通させるのを繰り返す感じで縫っている。
…。申し訳ない。文章で書いても分からないと思う。

せっかくなので、あらためて「返し口の塞ぎ方」で検索してみた。
なるほどコの字で縫っていくのが定番っぽい。確かにこれなら縫い目が隠れやすそうだ。一応図解を描いてみた。

  • 返し口の塞ぎ方
    返し口の塞ぎ方

次から私も返し口はこれで縫ってみようと思う。

7.完成

返し口が塞がったら完成だ。
今回の作例は印鑑ポーチだが、A5やA4、筆箱のようなものでもサイズが違うだけで作り方は同じだ。
筆箱のような細長いものは、返し口は底部分の方がイイかもしれない。

  • 完成 (1)
    完成 (1)
  • 完成 (2)
    完成 (2)

ホントはポケットファスナーも本体ファスナーと同じオレンジのファスナーを付けたかったのだが、買ったセットのファスナーが10色入りで、同じ色のものは1本ずつしか入っていなかったのであきらめた。
ポケットはゴムマットと朱肉も入るようにするために付けた。ナイロンの方がインクが付いてもふき取りやすいような気がして、ポケットにもナイロンの裏地を付けることにした。

ファスナー付き小物入れは色々便利なので、ちょうど入るポーチが無いって時は、参考にしてもらえると幸いだ。

8.ミシン糸の解き方

さて、日々の失敗を糧に変えるべく、裁縫分解も記事にしておこうと思う。
本当はやり直しせずに済むのが理想だ。そのためにもミシンの前に座ったら「表裏、向き良し!」と掛声と共にしっかり確認する癖をつけて欲しい。
特に生地のサイズと裏表、そしてファスナーの向きと裏表。これらが一番間違えやすい。
縫う前に縫い終わった状態を想像して間違いないか確認するのだ。
それでも間違ってしまった場合は仕方がない。ここからの手順で一旦ミシン糸を解いていこう。

解き方1(短い距離)

ミシンは通常、上糸と下糸がある。2つの糸が生地を挟んで互いに繰り返し交わり、固い絆で結ばれていく。
これを無理に引きはがそうと引っ張っても、2人の絆はなかなか解けるものではない。大切なのは一人一人別々に向き合い、2人の関係を理解した上で気持を緩めていくことだ。

まず片面の縫い目を浮き上がらせて糸を切る。続けて2つほど縫い目を遡ってまた浮き上がらせて糸を抜く。2つ程度の縫い目なら生地を傷めずに糸を引っ張りやすいからだ。
短い距離ならこれを繰り返して解いていくとイイだろう。ある程度解けたら裏面の糸の方も切っておく。

もしリッパーがあるなら、浮き上がらせてそのまま切っていった方が早いかもしれない。
私はまだ買ってないので、目打ちで浮き上がらせて糸きりで切っている。引っ張り出す時に生地を傷めやすいので注意は必要だ。

  • ミシン糸の解き方1
    ミシン糸の解き方1

解き方2(長い距離)

解く距離が長い場合。最初は解き方1と同様のやり方である程度解いておく。
重なった生地を引き剥がせるぐらいのところまで来たら、生地と生地との間から糸を引っ張り出すようにして解いていく。
下の図解を参考にして欲しい。表面の縫い目を解くより糸を掴みやすいので、慣れるとこちらの方が楽だと思う。

解き終わりの処理

必要な所まで解いて続きをミシンで縫いたい場合は、途中まで解いた糸を一旦解けないように固定しておく必要がある。
糸は手縫いと違って、上糸と下糸の2本が通っているため両方の糸を止めなければならない。

結び目が出来てもいい面の方の糸を引っ張り上げる。するともう一本の糸の輪っかが浮いてくるのが分かるだろう。
この輪っかに目打ちなどを通して引き上げて抜いていくと、糸が二本とも同じ面に出てきてくれる。この2本を結めば完了だ。

  • ミシン糸の解き方2と終わり処理
    ミシン糸の解き方2と終わり処理

あとミシンで止め縫いをした時の結び目の部分も、固く結ばれていて解きにくかったりする。
これも重なった生地を引きはがすように引っ張って、生地と生地との間の糸部分を切ってやると簡単に結び目が崩壊してくれる。

さあ、こんなところで今回の記事を終わりにしたい。
次回はまた前世か天界か死霊か何の話になるか分からないが、いつもの怪しい話に戻るだろう。

真夜中、誰もいないはずの天井裏からコトコトコト‥とミシンの音が聞こえてきたら‥。天井裏でここれんね管理人が裁縫しているのかもしれない。
そんな時は恐れず「前世見るならここれんね」と唱えよう。きっと満足して消えてくれるだろう。ふっふっふっ‥。